皆さんこんにちは、超合金買取専門店「グリスタ」です!
初夏の気配を通り越して一気に夏本番がやって来そうな今日この頃、
おかがお過ごしでしょうか?
本日のコラムはこれからの季節は特に気をつけたい
「超合金フィギュアのお手入れ」について!!
夏場はPVCフィギュアやソフビ、
そして超合金にとっても過酷な季節。
大切な超合金を長く愛でるためにも、長期保管のポイントを
今一度おさらいしておきましょう!
【超合金の保管のポイント】
超合金フィギュアに代表されるような高級コレクターズトイには
見た目の美しさと重量感を両立した素材として
ダイキャスト合金、特に亜鉛合金がよく使用されています。
この合金素材は、金属ならではの冷たさと密度感、
そして高い耐久性を誇る一方で、保存環境によっては
劣化や腐食といったトラブルを招くことがあります。
そのため、愛蔵品を長期間にわたって美しく維持するためには
正しい保管方法について理解し、日常的な管理を
怠らないことが非常に重要です。
本日のコラムでは、ダイキャスト製フィギュアを
10年、20年といった長期にわたって良好な状態で
保管するための注意点と実践的な対策を具体的にご紹介いたします。
湿度管理の重要性
ダイキャスト合金の保管において、最も基本的かつ
重要な要素のひとつが湿度の管理です。
湿度が高すぎる場合、金属の表面に酸化が生じやすくなり
最悪の場合は腐食によって表面がザラついたり、
変色したりすることがあります。
一方、湿度が低すぎる環境では、フィギュアに含まれる
樹脂やプラスチック部品が乾燥してしまい、
ひび割れや脆化の原因になります。
そのため、湿度は高すぎても低すぎてもいけないという、
繊細なバランスが求められるのです。
一般的なPVCフィギュアの保管に適した湿度は
50%以下とされており、
超合金のような金属パーツの多いフィギュアでも
同様の湿度が推奨されています。
保管場所の湿度が50%を越える湿度になった時の
具体的な対策としてはシリカゲルなどの乾燥剤を併用するのが有効です。
乾燥剤は密閉ケースや引き出しなどに設置することで、
湿度を一定に保つ助けとなります。
ただし、乾燥剤にも使用期限があるため、
定期的な交換を忘れずに行うことが大切です。
温度変化に注意を
次に注目すべきは、温度変化の激しい環境を避けることです。
金属と樹脂パーツは熱膨張率が異なるため、急激な温度の変化によって
膨張・収縮の度合いに差が生じ、パーツのひび割れや
接合部のゆるみといった問題が発生しやすくなります。
また、温度差が大きいと結露が生じる可能性があり、
それが金属の腐食の原因にもなりかねません。
保管場所の温度は、15〜25℃程度の安定した範囲が理想とされています。
特に夏季や冬季の冷暖房による急激な温度変化には注意が必要です。
できるだけ室内の温度を一定に保ち、
冷暖房の風が直接当たらないように心がけましょう。
通気性を確保する
保管する際に、密閉された空間に入れておけば
安全だと思われがちですが、実は通気性のある場所のほうが
長期保管には適しています。
完全に密閉された環境では湿気がこもりやすくなり、
結果としてカビや腐食の原因になることがあります。
ただし、空気の流通を良くするためにむやみに開放しておくと、
ホコリや空気中の有害な化学物質(例:家具の接着剤、タバコの煙)が
フィギュアに付着してしまうことがあります。
ホコリは単なる見た目の問題にとどまらず、
塗装面に悪影響を与えたり、微細な傷の原因になったりするため、
こまめな掃除やフィルター付きケースの活用が推奨されます。
接触素材に注意を払う
意外と見落とされがちなのが、フィギュアが直接触れている素材による劣化です。
たとえば、ゴムやPVC(塩化ビニル)と長時間接触していると、
これらに含まれる**可塑剤(柔らかさを保つ成分)**が金属に移行し、
表面に化学反応を引き起こして腐食する場合があります。
また、染料を含んだ布やスポンジなどの酸性物質も、
金属や塗装面に悪影響を与えることがあるため注意が必要です。
フィギュアを布や緩衝材で包む場合には、
中性で無着色の素材を選ぶようにすると安心です。
紫外線を遮断する
紫外線はプラスチックや塗装だけでなく、
金属部分にも劣化を引き起こす可能性があります。
とくに日光に長時間さらされると、塗装面の色あせや
プラスチックの黄変、さらには亀裂が発生することもあります。
このため、フィギュアの保管場所は直射日光が当たらない暗所が望ましく、
加えてUVカット加工されたアクリルケースや保護フィルムを活用することで
より高い保護効果が得られます。
定期的な点検と簡易メンテナンスを行う
たとえ未開封で箱のまま保管しているフィギュアであっても
年に1〜2回は状態を確認することが推奨されます。
外箱やブリスターパックの中で思わぬ劣化が進行している場合があり、
開封して初めて気づくことも少なくありません。
フィギュアの表面にくすみや酸化が見られる場合は、
中性洗剤を薄めた水や専用のクリーニングクロスで軽く拭き取ることで
状態を改善できる場合があります。
ただし、過度な研磨や強い洗剤の使用は逆効果となる恐れがあるため
あくまで優しく丁寧なメンテナンスを心がけましょう。
【おすすめの超合金フィギュア保管法】
超合金フィギュアの保管には単に「片付ける」だけではなく、
「劣化を防ぎながら魅力を保つ」という意識が必要です。
アクリルケースのように鑑賞を楽しむ方法から
密閉保管による長期保存重視の方法まで、
それぞれの方法にメリットとデメリットがあります。
1. アクリルケース+乾燥剤+UVカットフィルム
この方法は、見た目の美しさと保管性能を両立した
最もスタンダードかつ理想的な保管方法の一つです。
アクリルケースにフィギュアを飾り、内部には
乾燥剤(シリカゲルなど)を設置。
さらにケース全体にUVカットフィルムを貼ることで、
紫外線による劣化も防げます。
長所:
• ケース越しに鑑賞ができるため、観賞性が非常に高い
• 湿度の管理がしやすく、乾燥剤の併用で腐食リスクが低減
• UVカット対策により、塗装やプラスチックの劣化を防げる
短所:
• 密閉しすぎると湿気がこもり、かえって結露を招くことがある
• 定期的な乾燥剤の交換や内部の掃除が必要
• ケースのサイズや価格によってコストがかかる
2. 押し入れやクローゼットなどの暗所+通気+乾燥剤
日光が入らない押し入れやクローゼットにフィギュアを収納し、
湿気を吸収する乾燥剤を入れておく方法です。
密閉しすぎず、空気がある程度循環する場所であれば
温度変化や紫外線の影響を受けにくくなります。
長所:
• 紫外線や温度の変化から比較的守られやすい
• コストを抑えて簡単に実践できる
• 通気性を確保すればカビやサビのリスクが軽減される
短所:
• 中が見えないため、状態確認の頻度が下がる傾向にある
• ホコリや害虫の侵入リスクがあるため、衛生管理が必要
• 湿度や温度の管理は自己判断に頼る部分が大きい
3. 密閉コンテナ+シリカゲル+防腐紙
防湿・防虫対策として効果的な方法に、
密閉型のコンテナ(プラスチック製ストレージボックス)を
使用した保管があります。
内部に乾燥剤とあわせて、銅や亜鉛の腐食を抑える
防腐紙(ターピーシートなど)を入れておくと、化学的な保護も加わります。
長所:
• 高い密閉性により、外気や湿気、ホコリをほぼ完全に遮断できる
• 防腐紙や乾燥剤の併用で、金属パーツの保護性能が高い
• 虫の侵入も防ぎやすく、長期保管向け
短所:
• 長期間密閉すると内部の空気がこもり、結露の可能性あり
• 開ける頻度が減りやすく、劣化を見逃しやすい
• 完全に密閉する場合は、定期的な空気の入れ替えが必要
4. ガラス製ショーケース+除湿器・空気清浄機の併用
インテリアとしても映えるガラス製のショーケースに飾り、
室内環境自体を整える方法です。
小型の除湿器や空気清浄機を併用することで、
より高い管理性能を実現できます。
長所:
• 鑑賞性が非常に高く、コレクションを引き立てる
• 空調機器を使うことで、部屋全体の湿度・空気環境を一定に保てる
• 扉を開けて換気できるため、通気性もある程度確保できる
短所:
• ショーケース内の密閉性が中途半端で、ホコリが入りやすい
• UV対策がされていない場合、蛍光灯や日光で劣化の恐れあり
• 除湿器の電気代やメンテナンスがやや煩雑
5. 元箱に戻して保管(未開封状態)
コレクターの中には、購入後に開封せず、
元箱のままで保管している方も少なくありません。
この方法は、元箱の保護力とともに、
いわゆる“未開封品”としての市場価値を維持する目的で採用されます。
長所:
• フィギュア本体にホコリや紫外線が直接当たらない
• 完全な未開封状態なら、保管状態次第で資産価値が維持される
• 移動・収納がしやすく、コンパクトに保管できる
短所:
• 外から状態が確認できないため、内部での劣化に気づきにくい
• 元箱の材質(特に段ボール)が湿気に弱く、湿度管理が難しい
• 可塑剤やインクの影響で、内部で化学変化が起きる可能性も
6.絶対NG!避けるべき保管例
最後に、よくある誤った保管方法についても触れておきます。
以下のような状態で保管している場合は早急に見直すことをおすすめいたします。
■ プラスチック製ケースに直置きし、ゴム脚などと接触させている
見た目にもスマートで、手軽に保管できることから
100円ショップなどで購入できるプラスチック製のケースを使って
フィギュアを収納している方も多いでしょう。
しかし、そのケースの底にフィギュアを直接置き、
ゴム製のパーツ(スタンドの滑り止めなど)と接触させた状態で
長期間放置すると、重大な劣化が起こる可能性があります。
特に問題なのが「可塑剤(かそざい)」の移行です。
ゴムやPVCは可塑剤を含んでおり、これが
長時間フィギュア本体に接触していると、金属部の腐食や
塗装面の変色、ベタつきの原因になります。
また、プラスチック製のケース自体も
静電気を帯びやすく、ホコリを吸着して
フィギュアに汚れが付きやすくなります。
■ 新聞紙で包んで押し入れに放置している
「新聞紙で包んでおけば安全だろう」と考える方もいますが、
実はこれは非常に危険な保管方法です。
まず、新聞紙に使用されているインクや紙そのものが
酸性であることが最大の問題です。
酸性物質は金属パーツにとって腐食の引き金となりやすく、
特に亜鉛合金などのダイキャスト部品は、
酸によって腐食が加速されることがあります。
さらに、押し入れは通気性が悪く湿気がこもりやすいため、
湿気と酸性インクが合わさることで腐食や塗装剥がれを
一気に進行させてしまう危険があります。
新聞紙は水分を吸収しやすいため、かえって湿度を溜め込み
カビや劣化を招く要因にもなります。
保護するつもりで包んだ新聞紙が、実は逆効果になっていることに
注意が必要です。
■ クローゼット内に密集収納
大量のフィギュアを保有していると、
どうしても収納スペースを効率化したくなります。
その結果、クローゼット内にギュウギュウ詰めで
保管してしまうケースも少なくありません。
しかし、このような密集保管は通気性を著しく損ない、
劣化を加速させる大きな原因となります。
通気性が悪いと内部に湿気がこもりやすく、
特に梅雨や夏場などではフィギュア表面に
結露が発生しやすくなります。
この水分が金属パーツに触れることで、
腐食やサビが生じる可能性があるのです。
また、クローゼット内は日中と夜間で温度差が大きくなりやすく、
急激な温度変化による結露や金属とプラスチックの膨張率の違いによる
亀裂・破損のリスクも高まります。
加えて、密集していると一点ずつの点検が困難になり、
劣化に気づかないまま進行してしまうという二次的な問題もあります。
理想的なのは、自身のフィギュアの点数や置き場所、
気候条件に合わせて複数の保管方法を組み合わせて使うことです。
たとえば、展示用のフィギュアはアクリルケースに、
保管用のフィギュアは密閉コンテナにといった具合です。
正しい保管方法を選ぶことは、大切なコレクションを
長く楽しむための第一歩です。
ご自分に合ったベストな保管環境を見つけてください。
【まとめ】
ダイキャスト合金製フィギュアを長期間にわたって
美しく保つには、以下の点を意識することが大切です。
• 適度な湿度・温度管理
• 良好な通気性の確保
• 酸性物質・可塑剤との接触を避ける
• 紫外線の遮断
• 定期的な点検と丁寧なメンテナンス
これらの基本的な管理を実践することで、
あなたの大切なコレクションは10年後も
20年後も変わらぬ美しさを保ち続けることでしょう。
愛着あるフィギュアたちを後世まで良好な状態で
残していくために、ぜひ日頃からのケアを心がけてください。