昭和の時代、日本のアニメ界は
ロボットアニメ黄金期を迎えていました。
『マジンガーZ』『ゲッターロボ』『グレートマジンガー』といった
熱血ヒーローものが立て続けに登場し、
少年たちの心を熱く燃え上がらせていた時代。
そんな中、1977年に登場した作品が『超電磁マシーン ボルテスV』です。
「V」と書いて「ファイブ」と読むこのタイトル。
日本国内ではもちろんのこと、後年になって
海外でも熱狂的な人気を誇るロボットアニメとなり、
今もなお多くのファンに語り継がれています。
今回のコラムは、懐かしの昭和アニメをこよなく愛する方、
そして超合金に愛情を傾ける方々に向けて
『超電磁マシーン ボルテスV』のあらすじや見どころ、
海外人気の理由などをじっくりとご紹介します。
あらすじ――家族の絆と惑星ボアザンの侵略
物語の舞台は、近未来の地球。
人類は平和に暮らしていましたが、突如として高度な科学力を持つ異星人
「ボアザン星人」の侵略を受けました。
このボアザン星人の操る巨大な獣士ロボットに立ち向かうのが、
国際防衛組織「ビッグファルコン」が開発した
5機のボルトマシンが合体して誕生するスーパーロボット「ボルテスV」です。
この機体を操縦するのは、剛健一・剛大次郎・剛日吉の兄弟3人に加え
乗馬の達人である峰一平、そして忍者の末裔でもある
女性パイロットの岡めぐみの5人。いずれも若き精鋭です。
見どころ1:5機合体のロボット「ボルテスV」の完成度
本作の最大の魅力のひとつは、なんといってもその
ロボットギミックのかっこよさにあります。
ボルトクルーザー(頭部)、ボルトボンバー(腕部)、
ボルトパンザー(胴体)、ボルトフリゲート(脚部)、
ボルトランダー(脚部)という異なるメカが合体して
ボルテスVとなるプロセスは、昭和の子どもたちを
テレビの前に釘付けにしました。
さらに注目すべきは、必殺技「天空剣Vの字斬り」。
合体後に背中から引き抜く天空剣を手に敵ロボットを
Vの字に斬り裂くこのフィニッシュ演出は
今見ても鳥肌が立つほどの迫力です。
当時は玩具展開も非常に人気で、ポピー(現バンダイ)から発売された
合体超合金ボルテスVは、精巧な変形ギミックと
重量感あるダイキャストで話題を集めました。
現在では復刻版や超合金魂シリーズでもリリースされており、
コレクター垂涎の的となっています。
見どころ2:濃厚な人間ドラマと社会的テーマ
『ボルテスV』が他のロボットアニメと一線を画している最大の理由は、
その高いドラマ性にあります。
物語は、単なる「地球 vs 宇宙人」の構図にはとどまりません。
物語が進むにつれ、主人公・剛健一たちの父である剛博士が、
実は敵であるボアザン星の出身者であることが明かされ
さらに彼ら兄弟の出生にも重大な秘密が隠されていることが判明します。
加えて、ボアザン星には支配階級と奴隷階級という
厳しい身分制度が存在しており、その差別と抑圧の構造が
物語の根底に深く関わってきます。
こうした背景の中で、『ボルテスV』は単なる侵略者との戦いを超え、
家族の絆、アイデンティティの葛藤、階級闘争、
そして自由と平等を求める革命の物語へと展開していきます。
剛兄弟は、ボアザン星人の父と地球人の母の間に生まれた混血であり、
自らの出自に悩みながらも地球を守るために戦うという宿命を背負っています。
単なるロボットの操縦者ではなく、彼らはそれぞれに
重い背景と心の葛藤を抱えているのです。
さらに驚くべき展開として、健一たちの宿敵である
ボアザン軍の司令官・プリンス・ハイネルが
実は剛博士の長男、つまり剛兄弟の異母兄であることが明かされます。
「敵はかつての家族だった」という衝撃的な真実は、
登場人物たちの関係をより複雑にし、単なる勧善懲悪では
語れない物語へと昇華させていきます。
それぞれの立場や信念が交錯し、敵味方の境界線が
曖昧になっていく中で描かれるのは倫理的ジレンマと人間ドラマの深淵です。
アニメ作品として、ここまで濃密な心理描写と
社会構造を描いた点は当時としては極めて異例であり、
まさに革新的な作品といえるでしょう。
このように『ボルテスV』は、ロボットバトルの迫力とともに
血縁、身分差別、社会の矛盾といったテーマを重層的に描いた、
重厚な人間ドラマとしての魅力を持ち合わせており
まさに昭和ロボットアニメの金字塔と呼ぶにふさわしい作品です。
海外での人気──特にフィリピンでは国民的アニメに
『超電磁マシーン ボルテスV』が特に熱狂的に支持された国が、フィリピンです。
1979年に現地で初放送されるやいなや、瞬く間に
子どもたちの間で社会現象となり、ロボットアニメの象徴的存在となりました。
その人気は日本以上ともいえるほどで、政府が作品を
「暴力的」として放送打ち切りにした際には、
多くの子供や親が抗議の声を上げたほどでした。
実際の理由は、作中に描かれる「反乱」「階級社会」「解放」
といったテーマが、当時の独裁政権にとって
都合が悪かったからとも言われています。
しかし、それによって『ボルテスV』は「自由の象徴」「革命のメタファー」
として記憶され、長らくフィリピン国民の心に深く根付いてきました。
そして2023年、GMAネットワークと
東映が共同制作した実写ドラマ『Voltes V: Legacy』が
フィリピンで放送されると、その人気は再燃。
最新のCG技術と原作へのリスペクトが融合したこの作品は、
若い世代にも「ボルテス熱」を浸透させ、
まさに国民的コンテンツとして再評価されています。
昭和ロボットアニメの金字塔、今こそ再評価を
『超電磁マシーン ボルテスV』は、単なる合体ロボットアニメではありません。
時代を超えて訴えかけてくるドラマ性、普遍的な人間関係の葛藤、
そして世界的な共感を呼んだテーマ性が詰まった、まさに昭和アニメの金字塔です。
当時リアルタイムで観ていた方も、最近になって知った方も
もう一度この作品をじっくりと観返してみてはいかがでしょうか。
きっと、少年時代に胸を熱くしたあの「天空剣Vの字斬り」が
今も心に刺さるはずです。
昭和のロボットアニメが好きなあなたへ。
そして、世界で愛されたロボットを知りたいあなたへ。
『超電磁マシーン ボルテスV』は、まさにその答えです。
超合金魂 ボルテスVの魅力と市場価値
昭和のロボットアニメ『超電磁マシーン ボルテスV』は、
その壮大なストーリーと革新的な5機合体ロボットの登場で
多くの少年たちの心を掴みました。
そしてそれと同時に、ロボットアニメと並んで語り継がれる
もうひとつの“熱”が、「超合金ロボット玩具」です。
ここからは、『ボルテスV』をモデルにしたバンダイの名作フィギュア
「超合金魂」「DX超合金魂」シリーズにスポットを当て、
現行市場での人気や中古超合金の買取価格、そして高価査定のポイントまで、
ロボット好き・超合金ファンに刺さる濃密な情報をお届けします。
バンダイの「超合金魂」シリーズとは?
まずは、シリーズの概要からご紹介しましょう。
「超合金魂」は、1997年にバンダイが展開をスタートした、
大人向けのハイエンドロボットトイシリーズです。
1970年代の“ポピー製超合金”を現代技術で再構築し、
より緻密な造形、可動性、そしてギミックを搭載した
究極の復刻アイテムとして開発されました。
対象作品は、『マジンガーZ』『グレートマジンガー』
『コン・バトラーV』『ボルテスV』といった、
まさに“昭和ロボットアニメ黄金期”の人気作ばかり。
コレクターズアイテムとしての価値も非常に高く、
中古市場でも安定して高値がつきやすいシリーズとなっています。
ボルテスV、超合金魂で甦る!──GX-31から始まった名作
そんな超合金魂シリーズの中でも『ボルテスV』は屈指の人気アイテムです。
その記念すべき第一弾が、2006年に発売された
「GX-31 超電磁マシーン ボルテスV」。
全高約27cm、重量感あふれるダイキャストパーツを使用し、
アニメ同様の5機合体ギミックを完全再現しています。
▼GX-31の特徴
• 合体前の「ボルトマシン」5機が精密に造形
• 合体後は劇中通りのバランスで再現
• 天空剣Vの字斬りも再現可能な手首パーツ
• 展示用の専用台座付き
当時の定価は13,000円前後でしたが、発売後しばらくしてから市場ではプレミア化。
状態が良ければ中古でも20,000円以上の査定がつくこともありました。
さらに進化した完全体──「GX-31V」や「DX超合金魂版」も登場!
GX-31のヒットを受けて、その後もバリエーションモデルが次々と登場します。
中でも注目すべきは、「GX-31V ボルテスV RESPECT FOR VOLTES V」。
このバージョンは、フィリピンでの実写版制作を記念し、
ボルトマシン各機体の色彩や成型色をリファインした特別仕様。
限定販売だったこともあり、中古市場では30,000円以上の高額取引が見られます。
さらに、超合金魂シリーズの派生ラインである
「DX超合金魂」シリーズから、2019年に発売された
「DX超合金魂 ボルテスV」はまさに究極のボルテスです。
▼DX超合金魂 ボルテスVのスペック
• 全高約35cm、重量2kg超の圧巻サイズ
• 電飾ギミック(目が光る)や音声再生機能搭載
• 超精密な5機合体、各部可動、展開ギミック
• 武器・オプション多数、ボルトクルーザー格納用台座付き
• 初回限定特典:豪華ブックレット、サウンドスタンド
このモデルの定価はおよそ55,000円。
発売直後はすぐに完売し、中古市場でも
60,000円〜80,000円で安定的に流通しているのが現状です。
中古市場での人気と査定ポイント
では、こうしたボルテスVの超合金アイテムは、
実際に中古市場でどのような価値を持つのかを見ていきましょう。
現在、中古超合金市場では、以下のような傾向が見られます。
モデル名 |
状態 |
市場相場(2025年8月現在) |
GX-31(初版) |
美品・箱付 |
約18,000〜24,000円 |
GX-31V(限定版) |
開封済・完品 |
約28,000〜35,000円 |
DX超合金魂 | 新品同様 |
約60,000〜80,000円 |
DX超合金魂(欠品あり) | 使用感あり | 約40,000〜55,000円 |
上記のように、ボルテスV関連の超合金は、
年代物であっても価値が落ちにくいのが特徴です。
むしろ、現在は「昭和アニメ+高品質な玩具」の組み合わせが
再評価されており、コレクターや海外のファンが積極的に
中古市場に参入しているため、需要が供給を上回っている状態とも言えます。
高価買取のポイントとは?
「もう飾っていない超合金魂を手放したい」
「どうせ売るなら少しでも高く売りたい」
そんな方のために、査定アップにつながるポイントをいくつかご紹介します。
① 箱・取説・付属品が揃っているか?
とにかく重要なのが「完品」であること。
箱、ブリスター、説明書、交換パーツ、武器などの欠品がないかは、
査定額に大きく影響します。
特にDX超合金魂は付属品が多いため、パーツ確認リストを使って
整理しておくことをおすすめします。
② 外観の状態(傷・汚れ・破損の有無)
塗装剥げ、関節の緩み、サビ、変色などの有無も重要です。
飾る際には直射日光や湿気を避けていた方が良い結果になります。
金属パーツの劣化を防いでいれば、それだけで高評価につながります。
③ 初回限定版や再販情報
希少価値の高い初版や限定仕様モデルは、再販版に比べて
1.5〜2倍以上の価値になることも。
特典付きであれば、そのまま査定アップに直結します。
宅配買取を活用しよう!楽に売れて高く売れる時代
最近では、超合金などのフィギュア専門店による
宅配買取サービスも充実しています。
特に「超合金魂」「DX超合金魂」のような人気シリーズは
専門知識を持つバイヤーが査定するため、
リサイクルショップよりも高額査定になりやすい傾向があります。
▼宅配買取の流れ
1. 公式サイトから申し込み
2. 無料の買取キットが届く
3. 梱包して送付(送料・手数料無料のケース多数)
4. 査定結果を確認し、金額に納得すれば即入金
わざわざ店舗に行かずとも、自宅にいながら
安心・スムーズに売却できるのが魅力です。
特に箱付きのコレクション品などは、安全に輸送できる
梱包材を使用することで、高価買取のチャンスを逃しません。
この機会にぜひ査定・宅配買取を検討してみてください。
広島市内に店舗がございますので、近くの方は店頭でもお受けします。
ボルテスVは“売れて、飾れて、語れる”超合金
『超電磁マシーン ボルテスV』という作品が
今なお語り継がれる理由は、単なる懐かしさではありません。
精巧なフィギュアとして「超合金魂」や「DX超合金魂」で甦ったことで、
世代を超えてコレクションとしての価値も証明されました。
超合金ロボットは、「少年時代の夢」から
「資産価値のある大人の趣味」へと変貌しています。
もしご自宅に眠っているボルテスVの超合金があるなら、
いまこそその価値を見直すタイミングかもしれません。
売りたいあなたも、買いたいあなたも。
超合金魂 ボルテスVは、今なお“高く売れる”注目の逸品です。