もはや日本を代表するロボットアニメとなった「機動戦士ガンダム」。
プラモデル。フィギュア、そして超合金など様々な商品が展開されており、
そのどれもが高い評価を得ています。
今回はそんなガンダムシリーズの超合金のはじまりから現在、
そしてこれからに注目していきたいと思います!
【初代ガンダムの超合金について】
1979年に放送が開始されたアニメ『機動戦士ガンダム』は、
リアルロボットアニメの先駆けとして大きな影響を与えた作品です。
本作の放送に伴い、当時の玩具メーカーであった
クローバー社がガンダム関連の玩具を発売しました。
その中でも代表的であったのが、超合金シリーズの「ガンダム」です。
現在では、「超合金ガンダム」は歴史的価値のあるレアアイテムとして
認知されており、コレクターの間では高い人気を誇っています。
ガンダム玩具の歴史を語るうえで、クローバー社の
「超合金ガンダム」は欠かせない存在であると言えます。
1972年に放送された「マジンガーZ」から始まった
一大ロボットアニメブームから7年が経った当時、
クローバー社は多くのスーパーロボットアニメの玩具を手掛けており、
『機動戦士ガンダム』の放送と同時に超合金「ガンダム」をリリースしました。
販売名称は「機動戦士ガンダム 超合金 GA-100」、
サイズは全高約14cmで、材質はダイキャスト合金とプラスチック、
価格は当時3,500円だったと推定されています。
この「超合金ガンダム」は、アニメ設定とは大きく異なる
デザインが施されており、独特のアレンジが加えられていました。
胴体部分に格納可能なコア・ファイターが付属し、
ビームライフル、シールド、ハイパーバズーカといった武器も同梱されていました。
ダイキャスト合金を使用したことで重厚感があり、
当時の玩具としては頑丈な造りとなっています。
関節の可動範囲は狭く、ポージングには制限がありましたが、
それよりもアニメ版と比べてずんぐりしたフォルムで、特に腕部や
脚部のプロポーションが異なるガンダムのデザインの方が問題となっていました。
クローバー社は、「超合金ガンダム」以外にも
先程のGA-100よりも大きなサイズでギミックも追加された
「機動戦士ガンダム DX超合金」、
GA-100よりも小型でシンプルな仕様となっており、
コレクション向けのサイズ感だった「機動戦士ガンダム ST超合金」、
そしてガンダムとGアーマーがセットになり、合体・変形ギミックが組み込まれた
プレイバリューの高い「機動戦士ガンダム DX合体セット」などの
ガンダム関連玩具を展開し、アニメの人気に伴う玩具の販売促進を狙いましたが、
売り上げは振るわず、結果としてクローバーはガンダム玩具市場から
撤退することとなりました。
当時の玩具市場では、スーパーロボットアニメの影響を強く受けた
デザインやギミックが求められていました。
しかし、ガンダムはそれまでのロボットアニメの世界観を覆す、
所謂リアルロボットの先駆けです。
このリアルロボット路線は玩具業界にとって異例であり、
顧客となる当時の子どもたちやマニアに快く受け入れられはしませんでした。
現在となってはクローバー社製の「超合金ガンダム」は
レトロ玩具としてコレクターの間で高い評価を受けています。
特に未開封品や美品はオークションサイトや中古市場で
高額で取引されることが多く、先述の通りクローバー社製のガンダム玩具は
売り上げが伸びず生産数が限られていたため、希少価値が高くなっています。
クローバー社の撤退後、ガンダム玩具市場はバンダイが引き継ぐこととなりました。
バンダイのリリースしたガンダムのプラモデル
通称「ガンプラ」の大ヒットにより、ガンダムの人気は爆発的に上昇し
今日に至るまで続く巨大な市場が形成されました。
1997年、バンダイは長らく低迷していた超合金玩具を
再起させるためのブランド「超合金魂」を立ち上げます。
この「超合金魂」の成功に続いた「DX超合金」や「METAL BUILD」といった
超合金ブランドからは高品質な超合金ガンダムがリリースされ、
現在のコレクター向け市場の市場を確立しました。
クローバー社製の「超合金ガンダム」は、当時のロボットアニメの主流とは異なる
異例の世界観を持っていたが、市場の流れには乗り切れずに終わってしまいました。
しかし、その後のガンダム玩具の発展にとって
重要な役割を果たしたことは間違いありません。
【現在の超合金ガンダム】
長年の歩みを経て続いて来たガンダムシリーズ。
初代から続く「宇宙世紀」シリーズと、それとは世界観を別にする
アナザーガンダムという作品群の新作が数年おきに発表され、
現在では日本のロボットアニメを代表する存在にまで成長しました。
アニメが放送されると関連した商品が発売される
販売戦略は今日でも変わっていません。
プラモデル、フィギュア、可動フィギュア、
そして超合金と様々な種類の玩具が発売され人気を博しています。
ガンダムの超合金玩具は、バンダイの手掛けるさまざまな超合金ブランドから
リリースされており、技術の進化とともに精巧な造形や可動性、
ギミックなどが追求されています。
2025年現在、ガンダムの超合金フィギュアを
リリースしている主なブランドは
「METAL BUILD」「METAL ROBOT魂」
「G.F.F. METAL COMPOSITE」などがあり、
それぞれ異なるコンセプトを持っています。
どのブランドの超合金を選ぶかによって楽しみ方も異なり、
今後も新たな商品が登場することが期待されます。
●METAL BUILD
METAL BUILDは、バンダイが展開するハイエンドな
ダイキャスト製フィギュアブランド(超合金)で、
可動性やデザインアレンジを重視した
ガンダムフィギュアシリーズをリリースしています。
カトキハジメ氏や海老川兼武氏などの
メカデザイナーによるアレンジデザインが特徴で、
ダイキャストフレームによる高い剛性と質感が魅力です。
代表的な商品には「METAL BUILD ガンダムアストレイ
ゴールドフレーム天ミナ」や
「METAL BUILD Hi-νガンダム」などがあります。
●METAL ROBOT魂
METAL ROBOT魂(メタルロボットたましい)は、バンダイが展開する
高品質なロボットフィギュアシリーズの一つで、その名の通り
「ROBOT魂」シリーズの進化版として位置付けられています。
従来の「ROBOT魂」シリーズがABSを主体にした素材で
製作されることが多いのに対し、
「METAL ROBOT魂」はダイキャスト合金を主とする金属素材を多く使用することで、
機体の一部に精密なディテールを与え、リアルな質感を実現しています。
このシリーズは、ロボットフィギュアの
「可動性」「デザイン」「質感」のバランスを
非常に重視しており、プレミアムな価格帯にもかかわらず
ファンやコレクターから絶大な支持を得ています。
また、精巧なギミックや可動パターン、塗装技術などが
特徴的であり、これらは作品の魅力を最大限に
引き出すために細部まで拘っています。
代表的な商品としては「METAL ROBOT魂 Zガンダム」、
「METAL ROBOT魂 ユニコーンガンダム」
「METAL ROBOT魂 ガンダムエクシア」などがあります。
●GUNDAM FIX FIGURATION METAL COMPOSITE
(G.F.F. METAL COMPOSITE)
G.F.F. METAL COMPOSITEは、カトキハジメ氏が
デザイン監修を行うシリーズで、元々のG.F.F.シリーズを
さらに高級感のあるダイキャスト仕様にしたブランドです。
ハイクオリティなマーキングと塗装が施され、
金属パーツの使用による重量感が魅力です。
代表的な商品には「G.F.F. METAL COMPOSITE RX-78-2 ガンダム Ver.Ka」や
「G.F.F. METAL COMPOSITE Zplus」などがあります。
【これからのガンダム】
ガンダムの世界は、常に新しい風を取り入れながら
未来へと進化し続けていきます。
現在最も新しいガンダム作品として注目される
「機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)」と
「機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム」の登場により、
ガンダムシリーズはまた新たな局面を迎えています。
これらの作品は、それぞれ異なるアプローチでガンダムの世界を描き
ファンに新たな視覚的、物語的な刺激を提供しています。
特に注目すべきは、両作がそれぞれの手法でガンダムの伝統を
新たな次元へと引き上げている点です。
「機動戦士Gundam GQuuuuuuX」は、サンライズと
スタジオカラーの共同制作によって生まれた革新的な作品であり、
現在最も新しいガンダムです。
この作品は、これまでのガンダムシリーズとは
一線を画すビジュアルスタイルや物語展開が特徴で、
これまでの宇宙世紀で綴られた物語を前提から覆した舞台を背景に、
デザインも性格もこれまでにないタイプのキャラクターたちが
主人公となり、彼らが織りなす人間ドラマが展開されました。
特に、ジークアクスというモビルスーツは、
これまでのガンダムに見られなかったデザインや機能を持ち
ファンにとっては新鮮な驚きとなりました。
毎週の放送の度に予想外の展開が起きてネットは大いに沸きあがり、
最終回を迎えた今も多くの人がその余韻に浸っています。
また、2024年に配信された「機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム」は
ガンダムシリーズの中でも特にシリアスで深いテーマを扱った作品です。
この作品は、宇宙世紀0079年を舞台にした一年戦争の
末期に焦点を当て、ジオン公国軍のエースパイロットである
イリヤ・ソラリ大尉の視点から戦争の悲劇と
人間ドラマを描いています。
特筆すべきは、物語が非常にリアルで感情的な
部分を強調しており、戦争の無情さや人間の
心の葛藤を深く掘り下げています。
CG技術を駆使し、これまでにない迫力の
映像が展開され、視覚的にも音響的にも
新たなガンダム体験を提供しています。
特に、戦闘シーンやメカニックの表現においては
従来のアニメーション手法を超えたクオリティが求められ、
その技術的な進化が本作に新たな命を吹き込んでいます。
これらの作品の登場とともに、ガンダムシリーズの
超合金フィギュアが次々と発売されるという動きも、
ファンにとっては大きな注目ポイントとなっています。
こうした最新作の登場とともに、ガンダムというブランドは
ますます進化し、過去の作品から続く伝統を守りつつも
新しい可能性を広げていくことが期待されます。
ファンとしては、これからのガンダムシリーズが
どのように発展していくのか非常に楽しみであり、
次々と発表される新たな商品展開に胸を躍らせることでしょう。
【最後に】
ガンダムシリーズの超合金フィギュアは、
その誕生から現在に至るまで、多くのファンの心を掴み続けています。
初期の超合金ガンダムフィギュアは、ごくごくシンプルな
作りでありましたが、その後、技術の進化とともに、
次第に複雑で精巧な作りになっていきました。
特に、1990年代の「DX超合金」や2000年代の
「METAL BUILD」シリーズの登場は、
ガンダムのフィギュアとしてのクオリティを
一段と高め、今ではコレクターズアイテムとしてだけでなく
メカデザインやポージングの自由度にも
優れた製品が登場しています。
こうしたフィギュアは単なる玩具を超え、
まさにアートの領域に達したと言えるでしょう。
そして現在、ガンダムシリーズの超合金フィギュアは
さらに進化し続けています。
精緻なディテール、可動範囲の広さ、
さらにはLEDによる発光ギミックなど、
最新技術を駆使したフィギュアが次々と発売され
ガンダムファンに新たな驚きと興奮を与えています。
ガンダムという作品自体が50年以上にわたり進化を続け、
そのフィギュアもまた同様に成長してきたことは、
ガンダムシリーズの根強い人気の証と言えます。
今後も、新たなアニメや映画が公開されるたびに
それに合わせて新たな超合金フィギュアが登場することが予想され、
ますます多様化していくガンダムの世界に目が離せません。
特に現在は、最新作「機動戦士Gundam GQuuuuuuX」や
「機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム」などの新作が登場することで
今後の超合金フィギュアの展開がどのように
進化していくのか、非常に楽しみです。
ガンダムシリーズの超合金フィギュアが
今後どのような進化を遂げるのか、
それはまさに新しい時代のガンダムファンに
とって大きな楽しみのひとつです。
これからも、ガンダムシリーズの超合金フィギュアは
そのクオリティや魅力を進化させ続け、
私たちに新たな感動をもたらしてくれることでしょう。
ガンダムという作品が描く壮大な宇宙の中で、
数々のモビルスーツやキャラクターたちが
織り成すドラマとともに、私たちの手元に
その世界を刻み込んでくれる超合金フィギュア。
これからのガンダムシリーズにおける新たな展開に、
ますます期待が高まります。